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 締  [美ヶ原 冬]

八ヶ岳
車から5歩だけ踏み出せば、スノーシューを履かなくてもこの景色が手に入る。
スノーシューを履けば、その先にさらに美しい世界が広がる。
(山本小屋ふるさと館、駐車場にて)



関東では桜の花も散り、すっかり季節が変わってしまいました。季節外れの美ヶ原の雪景色シリーズ、これにて締めさせて頂きます。ダラダラ長々続けてしまいましたが、お付き合いありがとうございました。

今冬は、時間が許す限り美ヶ原に通っていました。「アルプスの展望台」とも呼ばれ、日本百名山中、41座が望める恰好の撮影ポイントということもありますが、スノーシューで新雪を踏みながら歩き回ること自体に、はまってしまいました。シーズン当初は、高峰高原、入笠山、上高地、奥日光、裏磐梯など、スノーシューでいろいろ廻るつもりでいました。しかし、最初に行った美ヶ原で、その景観の素晴らしさ、山本小屋の居心地の良さ&美しの塔まで10分という立地の良さに、ほかへ行く気が薄らいでしまいました。

ビーナスラインが冬期閉鎖されているので、冬は美ヶ原には行かれないと思っている方が多いようですが、県道を使って山本小屋ふるさと館(標高約1940m、冬期は休業)まで車で入れます。宿泊するなら、さらにその先の山本小屋(美ヶ原高原ホテル)まで乗り入れ可能です。
山本小屋に宿泊の場合には、県道登り口の役場駐車場、または和田宿ステーションまで迎えもありますので、雪道の苦手な方でもアクセス出来ます。
またアクセスが松本になりますが、王ヶ頭ホテルも冬期も休まず営業しています。

MSRライトニング・アッセント Ospreyスウィッチ26

小屋にはスノーシューのレンタルもあります。私はMSRライトニング・アッセントをシーズン当初から使っていますが、十分元を取るだけ乗りました。よく見ると、もうかなり傷だらけです。デナリシリーズと並んで、BC(バックカントリー)スキー、スノボー御用達モデルですので、平らな場所が多い美ヶ原では少々オーバースペックかも知れません。美ヶ原は、山に登ると言うより、スノーハイキングのフィールドなので、「山頂に立つ」達成感を求める方には、満足感は少ないかと思います。

靴はゴアを使用した3シーズン用の登山靴を流用、ウールの厚手のソックス1枚履きで、何の問題もありませんでした。スノーシュー用のブーツも出回り始めたようですが、冬用の登山靴、スノボー用ブーツなど、何でもOKです。中には長靴、スニーカーにブーツカバーという人まで居ます。ロング丈のスパッツとストックはあった方が良いです。日が出てからは、サングラスやゴーグルがないと雪盲の危険があるので、絶対に必要です。

ザックはBC(バックカントリー)用のOspreyスウィッチ26の背面側気室(本来は衣類など濡らしてはいけない物を入れるスペース)に、カメラ用クッションBOXを入れて使用しています。BCスキーヤーやボーダーさんたちが山頂まで、スキーやスノーボードと一眼やレンズを担ぎ上げる方法を真似させてもらいました。三脚はスキー固定用のベルトを利用して取り付けています。厚い手袋をしたまま、ファスナー、バックル類が開閉でき、ハイドレーション(吸水システム)も凍結を防ぐ冬期仕様となっています。しかし背面は雪が付かないよう平坦になっているので通気性が悪く、夏場の使用には厳しそうです。

衣類は、行動パターンで違いが出ますが、アンダーウエアに吸水拡散性の高いものを、オーバーウェアに防水透湿性のあるものを使うと、汗をかいても快適です。と言うより、汗が残ると体温低下に繋がり危険です。歩く、登ることに重きを置く人は、薄着が良いでしょう。冬でも厚着だと、意外と汗をかきます。一ヶ所でじっくり撮影する人は、一枚余分に着た方が良いです。いずれも、アンダーとオーバーウェアは共通で、ミッドウェアで調整するようにします。分厚い防寒着を着ていると、歩いている時には暑く、脱ぐと寒くなり、調整が利かないのでお薦めしません。


烈風

美ヶ原の気温は、松本の気温から-8℃が目安となります。松本の予想最低気温が-12℃の日には、しっかり-20℃を切っていました。純粋にスノーシューだけを楽しむなら、ポカポカした日の日中に行動すれば、危険なことは少ないと思います。写真撮影には、あまり良い条件とは言えませんが・・・

ただし冬の2000mの高地であることを忘れず、天候の急変など、最悪のことも想定しておくべきです。美しの塔は本来、濃霧やホワイトアウトで迷った登山者に、鐘を鳴らして方角を教えるための塔でした。新雪に付けたスノーシューの踏み跡は、強風下ではすぐに消えてしまいます。装備などは自己責任でお願いします。このページを見て事故に遭われても、当方は一切の責任を負いません。

厳寒期の夜間や明け方にも、防寒態勢さえ完璧にすれば寒さはさほど感じません。しかし、睫毛、眉毛、鼻毛まで、総てが凍りつきます。バラクラバ(頬被り)を下ろして直接寒気を吸い込むと、気管支が痛くなるほどです。

もちろん撮影機材にも過酷な条件です。
予備電池を2個、懐で暖めていますが、リチウムイオンは、比較的低温でも頑張ってくれます。ファインダーを長時間覗いていると、息の水蒸気で、液晶の辺りがガリガリに凍りつきます。どんな人が使うのだろうと思っていた、ネオプレーン製のカメラジャケットも、今や低温時の必需品になってしまいました。ズームが重くなったり、AFのスピードが遅くなるのは、オイル関係が低温で固まるからでしょうか。ファインダーの曇りが取れないのでよく見ると、レンズのフィルターが凍結し、氷の結晶がビッシリ付いていました。これは、まめにレンズキャップをすることを心掛ければ回避出来ます。さすがにこの条件では、2台体制にはできませんが、レンズはEF300F4LISを含めて4本背負っています。

低温時に、車に水物を残してくると、完全な氷の固まりになります。ビンや缶は、割れたり破裂します。プラティパス(ビニール水筒)がパンパンになっていたことがあります。おにぎりなどのご飯物も、凍って食べられませんので念のため。

来シーズンは、シーズン当初に思い描いていたように、美ヶ原以外にも行こうと思います。

ご質問等ございましたら、コメント用ページを開きましたので、お気軽にどうぞ。サイドバーにある「★コメント用ページ」 で一括して受け付けています。外部BBSを借りるより安易に設置できるのと、携帯から返事が書き込みやすいので、この方法を取りました。



「きまぐれGallery」開設当初は1記事に写真1枚、キャプションも極力少なくと始めましたが、このままでは夏まで掛かってしまいそうなので、1記事に複数枚の写真を載せることとなりました。美ヶ原は10記事ぐらいで終了のはずでしたが、行く度に載せたい写真が増え、また悪い癖で、だんだんと文字も多くなり、一貫性の無さに呆れ果てています(^^;

「備忘録」の写真は圧縮率を高めてあるのでファイルサイズは小さいのですが、「きまぐれ」の写真は、サイズをあまり気にせず載せてしまったので、ここまでで既に容量の1割を使ってしまいました。後から追加したblogは100MBしか容量が無く、メインblogに格上げしても変わらないのは予定外でした。「備忘録」の方は、あれだけ写真を多用しても、まだ900MB以上空いています。さてどうしたら良いものか、また悩んでいます。

複数blogを作れるようになる寸前に、別IDから立ち上げてしまったので、その後アドレスを変更したり、またソネブロ内に「気まぐれGallery」という名前が存在(後から発見)したので、急遽ひらがなの「きまぐれ」にしたりと、ゴタゴタが続いてしまいました。もうしばらくは、この形で続けていこうと思います。



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